【腹式メルマガ】第41号:実は刀を持って踊る舞踊がすごいんです・・・
ここしばらくご紹介してきた「昔の日本人の生活編」いかがでした
でしょうか?
現代の我々の生活と比べ、かなり違いますよね?
だいぶわかっていただけたと思います。
さて、最後にまとめ的に、
勇飛の体験を交えて「昔の日本人と呼吸」についてお話ししたいと
思います。
はい、薪割りのお話をさせてもらった時に、
「何故(勇飛は)薪割りの事を、やってもないのに語れるのだ?」
「それには理由がある」
と言うような事を言っていましたよね?
その秘密をお話しします。
実は勇飛・・・
「剣舞(けんぶ)」
と言うものをやっているんですね。
諸事情で今は休止中ですが。
「剣舞」とは何か。
その正体は、
「刀を持って踊る伝統的な日本舞踊」
です。
詳しくはまたの機会にたっぷりご説明させてもらいますので、
ここではざっとポイントだけ。
この剣舞、
呼吸についてものすごく色々なものが凝縮されています。
まず、「運足」と言って、足運び、移動の型ですが、
思い切りすり足で動く必要があるため、
「重心」を下げなければいけません。
思った以上にめっちゃ下げなければなりません。
下げないとどうなるかと言うと、
なんか「ピョコピョコ」したものになり、
非常に不恰好な形になってしまうのです。
ですがこの重心を下げるのは、
慣れないと非常に大変です。
呼吸もうまく使わなければなりません。
う~ん、文章でお伝えしようとすると、
なかなか難しいんですけどね・・・
日舞(日本舞踊)等をやっておられる方だとわかっていただき
やすいと思うんですが。
次に、
「刀使い」
です。
剣舞では、「刃引き」と言って、触っても斬れないように処置が
施されているものの、基本的にはまったく本物の刀を使います。
見かけはもちろん、重さも本物とまったく同じ。
同じと言うか、本物の刀を斬れなくしたやつを使っているだけの
話しであるとご認識ください。
そして刀を実際に構えて、斬りつける動作をします。
この時のコツが、もう薪割りとほとんど同じなんですね。
重心を下げて身体を安定させ、余分な力を抜き、
刃筋をしっかりと立てて(垂直にして)、
「釣竿を遠くに勢いよく放り投げる感じで」
振る。
これが基本的な型で、うまくいくと、
「ピュン!!」
と音がします。
これは空気が斬れている音だそうで、
この音が鋭ければ鋭いほどうまく斬れている事になります。
驚くべき事にまったくと言っていいほど腕力を使っていません。
えっと、刀の重さと身体の統一された動きに任せると言う
か何と言うか・・・
ちなみにうまくいかなかった時は、
「ブオッ!!」
と言うような先ほどの「ピュン!!」とはまるで正反対な音がします。
この音はうまく空気が斬れていない時の音で、
刀の刃が垂直に空気と当たっていないために出るんですね。
これ、薪に垂直に斧の刃を当てる、と言う部分と通じますよね?
そしてかなり大事なのが、
「呼吸のリズム」
なんですよ。
呼吸のリズムが取れていなければ、
刀を振り上げて、振り下ろすまでの動きが何かものすごく
ぎこちなくなります。
カックンカックンした感じ。
これはちょっと高度な話しになってくるんですが、
見ていて、
「(踊りが)うまい人ヘタな人の差」
として顕著に出てきます。
・・・もっと色々語るべきところはあるのですが、
これくらいで。
また剣舞については本格的に語らせていただきます。
ほんとに奥が深いです。はい。
もうびっくりの連続です。
これ考えた昔の日本人は神なのではないかなと。
でもこれで薪割りについて色々と偉そうに語っていた事が
納得できたでしょ?
この剣舞の型と同じようにやれば、
薪割りくらい簡単にできると思います。
刀を様式通りに美しく振る事に比べたら巻き割りの方が絶対簡単だと思います。
最初こそは失敗するかもしれませんが、すぐできるようになるはず。
本日はここまでです。
なお、剣舞で使う胆力や呼吸力を鍛えたければこちらの講座を受講するのが一番です。